あなたの抱えるドライバーは何ですか?

子供のころ養育者から影響を受けた言動の多くは社会生活で役立つものです。「周りに迷惑が掛からないように静かにする」「交通ルールを守る」などがそうです。養育者の知恵や価値観を取り入れたもので人生脚本を形成するうえで大きな影響を与えています。反対に人生脚本のネガティブな部分に対して大きく影響を与えるものもあります。そのネガティブな影響を与えるものを「ドライバー」と言います。
ドライバーは「完全であれ」「他人を喜ばせよ」「一生懸命にやれ」「強くあれ」「急げ」の5つです。例えば「完全であれ」というドライバーの影響を強く受けている人は幼児期に養育者から物事を完璧に仕上げることを強く求められたり、「ちゃんとしなさい」と強い口調で度々叱られたりした影響で、大人になった現在でも仕事や日常生活において何事も完璧に、しっかりとやらないといけないという強迫観念のようなものに急き立てられます。自分が思ったように物事が進まないとイライラしたり、不安になったり、人にあたったりすることもあります。
人がどのようなドライバーを持っているのかは言葉や語調、身振りや姿勢、表情などに現れます。その人がもっているドライバーを知ることで自己理解が深まったり、他者を理解することにつながります。下記に各ドライバーの特徴について説明します。
①完全であれ(終わりがない)
・白黒をはっきりする
・数字や指をつかって「一つ、二つ…」と確認する
・要点をまとめる「例えば…」「さっき言ったけど…」
●身体的特徴…正しい姿勢、格好をつける、隙がない、前置きが長い、繰り返し確認する、表情が固い

②他人を喜ばせよ
・他人の期待に応えることを優先し相手の心の中を探る
・相手の感情も自分の責任のように感じている
・気を使いすぎて疲れてしまい「なんで私が…」と途方に暮れる
●身体的特徴…低姿勢、前かがみ、無理をする、和顔愛語

③一生懸命にやれ(努力せよ)
・口では「頑張ります」「…したいと思います」というが行動しない
・行動する前に「難しい」「できない」「意味が分からない」などと思う
・いつも「もう少しなのに…」と自分を叱咤する
●身体的特徴…固い姿勢、説得調、力強いジェスチャー、努力努力が口癖、厳しい表情

④強くあれ
・我慢強く忍耐強くなければと平静を装う
・自分の感情を「あなたの…が私をイライラさせる」「社会は…」と他人のせいにする
・忙しいのにさらに仕事を抱え込む
●身体的特徴…腕組み、後ろ手を組む、低音で大声、無表情、我慢強い

⑤急げ
・何事も急いでしなければとあせり失敗する
・考えるより前に行動だ!とスピード感を重視
・いくら学んでも身につかない
●身体的特徴…イライラ、大声で早口、途中で話を中断する、早足でせかせか歩く

私はドライバーについて学習した際、「急げ」のドライバーの影響を強く受けていると感じていました。例えば依頼を受けた仕事は期待されているより早く仕上げないと…と徹夜してでも終わらせようと無理をすることもあります。頂いたメールに素早く返信できないと必要以上に気になったりもします。しかし先日、知り合いから
「『他人を喜ばせよ』のドライバーの影響もあるのでは?」
というアドバイスを聞き、確かに会社の期待に応えたいと自分の力量以上の無理をしていた時期もありましたし、早く事を済ますことで相手はきっと喜んでくれると思いこんでいる節は確かにあるなと感じます。
これらのドライバーの影響を弱めるには、自分自身に許可をあたえることが必要です。「完全であれ」ならば、「気楽にしよう」「まずはできる範囲から」「楽しくやろうよ」「結果は置いておいてとにかくやってみよう」といった感じです。縛られているドライバーから解放されるような言葉を自分に与えたり、周囲の人から言葉をかけてもらったりすることで気が楽になったりします。そして改めて物事に取り組むことで新しい解決方法がみつかったりすることがあります。それらの言葉が人生や仕事の幅・可能性を拡大してくれるのです。
リーダーの皆様は、メンバーが抱えているドライバーに目を向けて声のかけ方をほんの少し意識することでメンバーがとらわれている思考や感情から開放し安心安全な関係性を提供することができるのではないでしょうか。
(参照:日本交流分析協会 テキスト)

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