リーダーとして何をやめますか?②

「私たちはリーダーに何をすべきかを教えるのに多大な時間を使うが、何をやめるべきかを教えるのには充分な時間をかけていない。私が今まで出会ったリーダーの半数は、何をすべきか学ぶ必要はない。彼らが学ぶ必要のあるのは何をやめるべきかだ。」
とピーター・ドラッガーは話しています。「良いリーダーになるために」と意気込み、新しいスキルを習得しようとする前に「●●をやめる」ことも大変有効な取り組みです。メンバーのモチベーションや行動を阻害してしまう20のリストの中からいくつかをご紹介いたします。
(「コーチングの神様が教える『できる人』の法則」(著:マーシャル・ゴールドスミス 訳:斎藤清美/日本経済新聞出版社))

1、極度の負けず嫌い
どんなに犠牲を払っても、どんな状況でも、まったく重要でない場合でも、とにかく「勝ちたい」「負けたくない」と思う気持ち。例えば「人を無視する」ことは、相手より自分の方が重要性が高いということを示そうとする競争心からくるものです。極度の負けず嫌いは、このあと見ていく様々な問題のほとんどすべてに関係してくるもっともやっかいな思考の癖です。「情報を自分のところにとどめる」ことで他人より有利に立とうとしたり、「えこひいきする」ことで味方にひきいれ、自分の地位を有利にしたりなど、組織の中で他人を不愉快にする行動の大半は必要以上に他人に勝とうとする気持ちから生み出されています。
勝ちたいという欲求が悪循環であることが分かっていても、過剰な負けず嫌いのせいで思わず後悔してしまうエピソードは誰にでもあるのではないでしょうか。対人関係においてはこの「極度の負けず嫌い」という欲求をおさえることで様々な面において驚くほど関係性が好転します。

2、何かひとこと価値を付け加えようとする
どんなことにでもちょっと口出ししたいと思う欲求のことです。「それはすばらしいアイディアだ。」で留め置けばいいものの「でも●●●●を加えるともっと良くなるよ」とつい付け加えてしまうことはありませんか?上司は部下の意見に対して、アドバイスをしないといけないという間違った観念が働き、良かれと思いやっていることですが、そのアドバイスによって部下のアイディアが劇的に改善される度合いはごくわずかです。むしろ上司の意見を無理やり付け加えられたことでオリジナリティが失われたと感じ、やる気が減少してしまう悪影響の方が何倍も大きいと言えます。トップダウン型のリーダーシップで育ってきた上司の「そのことはすでに知っている」「それよりもっといい方法がある」という一言つけ加えたい症候群は、現在の組織にとってはマイナスの影響のほうが大きいと言えます。そこには前項で見たような「部下よりも自分の方ができる」「有利でいたい」という負けず嫌いの感情も同時に働いています。

3、善し悪しの判断をくだす
他人を評価して自分の基準を他人に押し付けようとする衝動のことです。仕事の課題や取り組みについて意見を交わす時は別として、自分のことについて他人に意見を求めたにも関わらず、その意見について善し悪しの判断を加えてしまうような状況がこれに当てはまります。もしこのような状況で「その見解は違っている。なぜなら…」などと反論したとすれば「聞かれたから言ったのに言わなきゃよかった…」ともう二度とあなたのためにアドバイスをしたくないと思うでしょう。自分が意見を求められた立場として考えると「わかる、わかる」と共感できる人も、いざ意見を求める側になると「自分はそんなことはやってないから関係ない」と中々気づき難いものです。部下と上司の関係であればかなり意識しておかないと難しいのではないでしょうか。

4、人を傷つける破壊的なコメントをする
無意識に不要な皮肉や痛烈なコメントをしてしまうことです。そうすることで自分が切れ者で周囲から機知のある人に見えると勘違いしている人がやらかします。私たちは無意識のうちに考えもなしに人を傷つける発言をしてしまうことが多々あります。言ったことすら覚えてないのに相手にとっては何年も前の会話のひとことをずっと覚えていることもあります。昨今の社会的な傾向として、率直になんでも話すことが良かれとされる傾向がありますが、人を傷つけるコメントを真実だからという理由で言ってしまうことは問題外です。真実かどうかよりもそれは言う価値があるのかが大切です。この悪癖は「このコメントは顧客に役立つのか?」「会社にとって役立つのか?」「部下にとって有用か?」と自問自答してから言葉にするということを意識することで改善されていきます。

5、「いや」「しかし」「でも」で始める
否定的・限定な言葉使いは議論を進めるのではなく、妨げてしまいます。これらの言葉は相手に対して「あなたは間違っている。私が正しい。」というメッセージを暗に伝えてしまうからです。改善方法は、職場の人にも協力してもらい「いや」「しかし」「でも」をつかったときには指摘してもらい回数を記録する方法が効果的です。周りの人たちも巻き込んで否定的・限定的な言葉使いを職場で減らしていくことは、組織の活性化やポジティブな雰囲気を作り出すことに繋がっていきます。

いかがでしたかでしょうか?もし自分に当てはまる悪癖に気づくことがあれば、改善することはできます。癖は気づかないから癖であり治らないのですが、気づくことができればそれは癖ではなくなり「やめる」という行動で改善できます。
次回もいくつかの項目を見ていきます。

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