リーダーとして何をやめますか?③

「私たちはリーダーに何をすべきかを教えるのに多大な時間を使うが、何をやめるべきかを教えるのには充分な時間をかけていない。私が今まで出会ったリーダーの半数は、何をすべきか学ぶ必要はない。彼らが学ぶ必要のあるのは何をやめるべきかだ。」
とピーター・ドラッガーは話しています。「良いリーダーになるために」と意気込み、新しいスキルを習得しようとする前に「●●をやめる」ことも大変有効な取り組みです。メンバーのモチベーションや行動を阻害してしまう20のリストの中からいくつかをご紹介いたします。
(「コーチングの神様が教える『できる人』の法則」(著:マーシャル・ゴールドスミス 訳:斎藤清美/日本経済新聞出版社))

6、自分がいかに賢いかを話す
人から尊敬を勝ち取りたい、少なくとも相手と同じ知的レベルにいることを知らせたい、という欲求のことで、問題は自分がどれだけ多くの事を知っているかを自慢しているだけではなく相手を侮辱している点です。改善するためには自分の知っていることを相手がさも自慢げに話してきたとしても、話の途中で「知っているよ」とさえぎることなく最後まで聞いたうえで「ありがとう」と言えるように意識することです。相手が目上の人であれば日頃からできている人もいますが、自分が追い込まれたときや立場の弱い人のときでも同様な態度で臨みましょう。

7、腹を立てているときに話す
感情的な興奮のエネルギー(怒り)を自分が思う方向へ相手を誘導するためにつかうことです。怒りのエネルギーを使いそうになった時は、「この怒りは何に向けての怒りなのか?」ということを考える間をとることで回避できます。怒りは大抵の場合が自分に向けられた意識が要因となっています。
「ある農夫が作物を届けようと上流の村に船で向かっていた。その日は暑く早く届けて暗くなる前に家に戻りたいと思っていた。すると前から別の船がすごい勢いでこちらに向かってきており今にもぶつかりそうになったので、彼は必死に船を漕いで避けようとした。『方向を変えろ!馬鹿野郎!』と叫んだが、船はぶつかってしまった。農夫は怒り狂ってぶつかってきた船に向かって『このマヌケ!こんな広い川の真ん中でどうしてぶつかってくるんだ!』と叫んだ。よく目を凝らしてみるとぶつかってきた船には誰も乗っておらず錨が外れて流されてきた船であることに気づいた」
相手の船には誰も乗っていない…私たちは腹を立てているときは空っぽの船に向かって叫んでいるようなものだという教訓です。人の怒りの根源は「相手」にあるのではなく、いつでも「自分」にあるという気づきが大切ですね。

8、否定、もしくは「うまくいくわけないよ。その理由は…」と言う
このような表現をする人の特徴は、誰かよりも自分の経験や知識のほうが勝っているということを認めさせたい欲求があるということです。単に自分をその場における最も詳しい評論家であるということを見せかけるための方法であるということです。自分の態度がこのような否定的な態度であるかどうかを確認するには周囲の人があなたに役立つ提案をどのくらい持ってきてくれるかを数えてみることで明らかになります。自分でちょっと少ないなと感じる場合は、あなたの悪い癖が人を遠ざけるほど深刻かもしれません。逆にそこそこの頻度で行われていればあなたは批評家ではないと周囲の人に思われています。人がどのようにあなたと接しているかをみれば、あなたのこの悪い癖がどの程度周囲の人を不快しているかがわかります。

9、情報を教えない
知識労働の時代において情報を他人に知らせないという行為は非常に生産性を低下させます。これを意図的に行っていると感じたらあなたの目的は権力を得ることや自分の立場を優位にして相手に勝ちたいという欲求を満たすことにあります。秘密を厳守するということを口実に情報の流れから人を外しているとてもずるい行為だと言えます。この行為の問題は、相手との間に不信感を生みイライラさせ、自分が優位に立ちたいという欲求を満たしているだけだということです。また意図的ではないとしても、あまりの多忙さに周囲とのコミュニケーションが不足して必要な情報交換が行われないことでも発生してしまいます。定期的なセッションで情報交換を行い、その際にはお客様も通さない、電話にも出ない、などの目の前の相手との時間を最優先する意識が問題を解決に導きます。

10、きちんと他人を認めない
これができないリーダーの特徴は話の大部分が一人称であることです。「私は上司に成果をほめられたことがない。なのになぜ私が部下をほめないといけないのか」「私は忙しいのでその時間がない」「私はそれが大切なことだとは思いませんでした」…高い業績をあげているプレーヤーと優れたリーダーの差は、物事を見る視点が自分から他人に移っているかどうかです。それができているリーダーはチームの業績を向上させることができます。

いかがでしたでしょうか?
もし自分に当てはまる悪癖に気づくことがあれば、改善することはできます。癖は気づかないから癖であり治らないのですが、気づきがあれば癖ではなくなり「やめる」という行動で改善できます。
次回もいくつかの項目を見ていきます。

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