リーダーとして何をやめますか?⑤

「私たちはリーダーに何をすべきかを教えるのに多大な時間を使うが、何をやめるべきかを教えるのには充分な時間をかけていない。私が今まで出会ったリーダーの半数は、何をすべきか学ぶ必要はない。彼らが学ぶ必要のあるのは何をやめるべきかだ。」
とピーター・ドラッガーは話しています。「良いリーダーになるために」と意気込み、新しいスキルを習得しようとする前に「●●をやめる」ことも大変有効な取り組みです。メンバーのモチベーションや行動を阻害してしまう20のリストの中か最後の5項目をご紹介いたします。
(「コーチングの神様が教える『できる人』の法則」(著:マーシャル・ゴールドスミス 訳:斎藤清美/日本経済新聞出版社))

16、人の話を聞かない
人は自分に対して注意を払わない人に対して特別に不快に感じる傾向があります。人の話を聞かないという事の裏には様々なネガティブメッセージが込められていますので注意が必要です。「あなたのことは気にかけてない」「あなたの言うことは理解できない」「あなたは間違っている」「あなたは私の時間を無駄にしている」あなたが話を聞かなかった人が再び話しかけてくることはほとんどないと言っても過言ではありません。もしそれを部下に対して行っている場合、その行為は単に失礼なだけでなく確実に「会社をやめよう」と思わせてしまいます。

17、感謝の気持ちを表さない
「謝意を表すこと」は「謝罪すること」と同じくらい人間関係を円滑に構築するのに効果的です。何か気の利いたことを思いつかない場合は「ありがとう」と言うと、大抵の人はそれを聞いて不快に感じることはないでしょう。

18、八つ当たりする
八つ当たりをすることは「人の努力や功績を認めない」「責任を回避する」「人を傷つけるコメントをする」「感謝の気持ちを表さない」「人の話を聞かない」にさらに「怒り」を加えて混ぜ合わせたようなもので明らかに不当なものです。忠告をしてくれる人や耳に痛いことを話してくれる社員に不公平な報復行動をとったり説教をしてしまう人もいます。最悪なのは、周囲の人がそんなあなたを遠ざけ必要な情報がすべてシャットアウトされてしまうことです。この癖を治すには人が何か情報やアドバイスをくれたきには余計なことは言わずに「ありがとう」と伝えるだけで周囲の人があなたに抱くイメージは変化します。

19、責任回避をする
責任回避をするかどうかでメンバーはリーダーを判断します。責任をとれることは、知識、勇気、アイディア…等と同様かそれ以上に重要なリーダーの要素です。責任逃れをするリーダーに献身的に尽くすメンバーはいません。責任回避をすれば誰もが気づき、誰もいい印象を持つことはありません。責任回避は「11、他人の手柄を横取りする」とは裏返しの行為であり、成功という輝かしい名誉を他人から奪う代わりに失敗を誰かにおしつけてしまいます。それは自分の身を守っていると思うかもしれませんが、実際にはみんなそれに気付いており、自殺行為をしているようなものだということを認識する必要があります。

20、「私はこうなんだ」と言いすぎる
人は誰でもこれが「私」という行動を山ほど持っており、それは良いものも悪いものも変えることのできない自分の一部だと考える傾向があります。私はそういう人間なんだからしかたないだろ」と●●ができない自分に許可を与えています。このような傾向は、いかに人を傷つけたり迷惑をかけてしまったとしても「自分自身のことを話すのは私が私でいることの権利を行使しているだけ」だと考えているためです。この自分の性格に忠実であろうとする傾向(自分はこういう人間なんだと思い過ぎること)は行動を変えようとするときには最大の障害となってしまいます。このような人は過剰に「自分らしさ」を追及することをやめると、他の人のプラスになるような関わり方ができるようなり、メンバーのモチベーション向上に繋がってきます。
例えば、「メンバーのことを褒めないのは、それが自分らしくないから」といった言い訳もなくなります。

これまで見てきた「ついついやってしまう20のリスト」は、リーダー自身が行動を振り返り、気づきを得るために活用するモノです。組織やチームにおいて職位が上に行けば行くほど問題はスキルよりも行動に関連したものになってきます。スキルや経験が同程度であれば、対人能力が成果を出すために必要不可欠なものとなります。会計知識は並みだが社外の人と素晴らしい関係を築き、優秀な部下を管理する能力に長けている人と、会計能力は抜群であるが社内外の人とうまく関係をもてず優秀な部下を遠ざけてしまう人ならどちらをパートナーとして選びますか?
あなたがやるべきことは、新しく何かを学ぶことではなく「今やめるべきこと」を決めることです。たったそれだけのことでメンバーのあなたに対する評価は変化し、リーダーとしての責務を果たすための環境が整ってくるでしょう

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